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漢方薬は〈伝説の武器や防具〉でも 戦うのは自分自身!?

この記事の所要時間: 311

どうして病気になるの?

 

東洋医学の考え方に、【気・血・水】という概念があります。

気力・血液・水分(リンパ液や関節液など)が全身に滞りなく巡っていれば、病気に なりにくいという考え方です。

 

例えば、清流の流れを想像してみてください。

川の水が(ゆっくりでも)均等に流れていれば綺麗に保たれますが、もし、長い変化で川幅が狭まったり蛇行したりして流れが悪くなってしまったら、その部分は、土砂が漂って汚染するかもしれません。

 

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この時、【川の流れ】=【血流】、そして、【土砂】=【血中の痛み物質(炎症のもと)】に置き換えてみましょう。

長い変化で【血流】が悪くなってしまった部分に【痛み物質】が蓄積することで内臓や筋肉に炎症が生まれ、痛みが生じたり、消化作用やホルモン分泌作用などといった本来の動きができなくなったりして病気になった・・・と、イメージできませんか?

 

また、【土砂】=【細菌やウィルスなどの病原微生物】に置き換えると、【血流】が悪くなった部分に【病原微生物】が住みつきやすくなる一方、抗体などの免疫細胞が現場に急行しにくくなるので、感染症に罹りやすくなる・・・と、イメージしてみてください。

 

 

 

病気の悪循環

 

病気になると、十分な食事や睡眠が摂りにくくなるので、ますます体力が落ち、疲労が蓄積します。

すると、【気・血・水】の巡りも悪化していくので、身体のバランスが崩れて症状が進む・・・といった悪循環が生じるおそれがあります。

 

では、この悪循環を断ち切るためには、どうすればいいのでしょうか?

 

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川の流れが澱(よど)んでいる所があるのなら、(川幅を広げるなど)川の水の流れを改善させればいいのと同じで、【気・血・水】の巡りを改善させるようにする必要があります。

ということは、①:十分な睡眠によって筋肉の疲労を取り②:筋肉や血液となる材料を多く含んだ食べ物を食べることで、元気な筋肉、濃い血液を増やすようにしなければなりません。

しかし、そもそも論ですが、十分な睡眠が摂れず、胃が もたれて食べられないから【気・血・水】の巡りが悪くなる訳で、上記①、②を自分の力で行なう事ができるのなら、はじめから病気にもならないハズです。

 

 

 

漢方薬の役割

 

そこで登場してくるのが『漢方薬』です。

 

漢方薬の「身体を温めて血管を拡げる」「むくみを取り除く」「滋養強壮作用」といった作用により、全身の血流が改善すればリラックスして眠気が生じ、胃腸系の働きが活発になれば お腹が空くので、そうなったら、①、②を実践すれば良いのです。

 

しかし、せっかく漢方薬を服用して眠気や空腹感が生じても、寝るのを我慢したり、何も食べなかったりといった生活を続けてしまったら、漢方薬を服用する前と何も変わりません。(ただ単に、今まで気付かなかった疲労や空腹に気がついただけです。)

 

つまり、「漢方薬だけ飲んでいれば、病気が治る」のではないのです。

 

そういう意味では、漢方薬は、あなたにとって、敵(=病気)と闘うための強力な『武器』や『防具』のような存在ですが、肝心の あなたが 敵と正面向かって戦う(=病気を治そうとする努力)をしなければ、それは「宝の持ち腐れ」になってしまいます・・・。

 

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