お腹に触れる硬いものの正体とは?
腹部の硬結の正体
寝る直前などの仰向けに寝た時に、何気なく お腹を触ったら コリコリとした硬いものが触れた・・・などという経験はありませんか?
「何か悪いものかも・・・」「もしかして癌??」などと心配になる人もいると思いますが、たいていの場合、それは筋肉の硬結(コリ)や腸内の宿便(便秘)です。(子宮筋腫や癌の可能性もゼロとは言えませんが、いきなり そういった病気を疑うのは早計です。)
『お腹コリ』という言葉はありませんが、お腹と肩の違いだけで、そのメカニズムは『肩コリ』と同じです。(詳しくは、こちら)
また、硬く触れるものが宿便であった場合、一般的には、
〈腸の動きが悪いから便秘をする〉←〈腸が酸欠状態の時(血流が低下している場合)に動きが悪くなる〉
と、考えられ、この時もまた 腹部の筋肉がコっている状態と言えます。
つまり、疲れている人ほど お腹にコリコリしたものが触れやすいのです。
腹診の目的
東洋医学には東洋医学独特の診察法がありますが、その内容が一般的な病院の診察方法と大きく異なり、この点が みなさんが戸惑い、胡散臭いかも?と感じてしまうところだと思います。
その、胡散臭い診察法ワースト3(?)に入るのが『腹診』ではないでしょうか?
我々医師は、腹診の際、
「お腹の力はどれくらい強いのか?」
「筋肉の張りはどんなものか?」
「お腹全体の体温は どうか?(冷えがないか?)」
「膨満感(ガスの貯留)や動脈の拍動を感じないか?」
などといった事を考えながら診察しています。
我々の筋肉は、重力に逆らって身体を支えなければならないので、立っている時には無意識に力が入っています。だから、腹部の筋肉も全体的に緊張して硬くなっています。
一方、横になっている時は、立位と比べて筋肉の負荷が それほどかからない状況なので、腹部の筋肉は、ある程度の弾力を持ち柔らかいハズですが、その時に硬い筋肉が触れるということは、「お腹がコっている」ということです。
『お腹コリ』が進むと、血流がさらに悪くなるので、コっている部分が冷えてきますし、腸の動きも悪くなるのでガスが溜まりやすくなります。
このような身体の変化は、みなさんも簡単に知ることができます。仰向けになって足をのばした状態でお腹を触る事で あなたの健康状態がわかりますよ!
按腹(あんぷく)とは?
『按腹』とは、文字通り「腹部をもむ按摩(あんま)療法」という意味ですが、日本古来の伝統療法で江戸時代ごろに盛んに行われていたようです。
本来の按腹療法は、指の使い方など、熟練した技術が必要だったようですが、そんな難しいことはさておき、要は、お腹のコリをほぐすイメージです。
この按腹健康法は、自分ですることができます。
お風呂上りの寝る前など、ある程度身体が温まっている状態で、仰向けになって足をのばして、手を軽く握って握りこぶしをつくり、その第二関節部分で、お腹をゴリゴリもんでみてください。
お腹の筋肉のコリがほぐれれば、腹部~足先の血流が改善して内臓の動きが良くなり、また『頭寒足熱』状態になって身体がリラックスできるので、自分の力で自分の身を護る行為をしていることになります。(漢方薬と併用すれば、効果が倍増ずるカモ?)
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