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コリ・筋肉痛

えっ? 医者も腰痛の原因が分からないってホント!?

この記事の所要時間: 355

腰痛とは?

 

『腰痛』とは症状であり病名ではありません。

このうち、画像検査などで原因が特定できる腰痛を特異的腰痛、ぎっくり腰などの(症状はあるけど)原因が特定できないものを非特異的腰痛と呼ぶことがあり、実に腰痛の約85%が非特異的腰痛です。

 

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腰痛の原因としては、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・骨折などの『脊椎(背骨)そのものに問題がある場合』や、腎炎や膵炎、尿管結石、大動脈解離、心因性などの『脊椎(背骨)以外に問題がある場合』など さまざまあります。

今回は そういった病気ではなく、多くの皆様が悩んでいるであろう非特異的腰痛について考えてみたいと思います。

 

 

 

頭と背骨と筋肉の関係

 

人間の頭は体重の8~13%くらいの重さだと言われています。

つまり、体重50㎏だと頭の重さは約5㎏。(これは、ちょうど ボーリングの玉 くらいです。)

それほど重たい頭を、親指と人差し指で作る “輪っか” 程の小さい骨が柱状になって支えています。

 

でも、「重い頭を支えるには、鉄のように頑丈で大きな骨の方がいいのでは?」と思いませんか?

 

しかし、立ったり座ったり、頭を上げ下げしたりと、我々の身体は常に動いているので、頑丈な背骨だと、すぐに歪んだり、いつか急に ポキッと折れたりするかもしれませんし、第一、身体を なめらかに動かすことが出来ません。

重い頭を支えて色々な動きをするためには、鉄のような硬さではなく、竹のような しなやかさ が必要なのです。

 

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こういった理由で、我々の身体は背骨をS字状にカーブさせ、しならせてバランスを取っていますが、その時、一番 しなっている部位 が首と腰です。

そこで、首と腰のまわりには 他の部位以上に筋肉が発達していて、頭の重さの負荷が背骨に まともにかからないようにガードしています。

つまり、背骨の しなり を形成しているのは筋肉があってこそなのです。

 

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筋肉量の少ない人や、筋肉量は多くても疲労が蓄積して筋肉がコリ固まってしまった人は、背骨の負荷によって首や腰の筋肉がどんどん疲労していき、やがて、ほとんどの筋肉がコリ固まってしまいます。

それが、奇しくも「鉄のような状態」となり、固くなった筋肉を無理やり動かそうとするから筋肉の線維が切れて炎症が起こります。

そして、炎症が起きている部位が首~肩なら『肩こり』、腰なら『腰痛』となります。

 

筋肉の炎症(=痛み)はあっても、その場所を特定できないから非特異的腰痛と呼びます。

 

また、妊婦さんや太った人は背骨に腹圧がかかることで腰痛を引き起こすこともあります。

 

ちなみに、背骨を支えている筋肉が年齢により衰えると背骨が曲がって椎間板ヘルニアになったり、骨粗しょう症などで背骨が弱くなると圧迫骨折になったりしやすくなります。

 

 

 

治療法

 

このように、筋肉の炎症により生じている腰痛は、急性期は炎症を取り除くために患部を冷やし、その後の疼痛に対しては温めることで筋肉をほぐし血行を良くさせるという治療をするべきです。

 

漢方では、筋肉の血流を改善させるような薬(疎経活血、湯八味丸、六味丸など)を処方することがありますが、漢方薬の種類によっては、胃腸系に負担をかけることもあるので、専門医の診察による体質(証)に合った漢方薬を処方されることを おススメします。

 

しかし、一度切れてしまった筋線維は、元に戻るまで相当な時間が掛かります。(その間、相応の痛みも持続します。)

そのため、急性期の腰痛に対しては、鎮痛剤などを用いて痛みを抑えるしかありません。

 

 

 

治療よりも予防!

 

つまり、腰痛になりやすい方は、なってから治療するよりも、筋肉を増やす(胃腸系を整えて筋肉の材料を増やす)ことや、筋肉の疲労を解消する(十分に睡眠をとる)などの『腰痛になりにくい身体にすること(予防)』の方が重要です。

そのためには胃腸系を整えたり睡眠を深くしたりする漢方薬を服用する方が、西洋薬を服用するよりも ずっと効果的です。

 

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