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消化器

弱った胃を元気にさせるには1日4食にするべし!?

この記事の所要時間: 438

朝食を食べない人の理由

 

私の診療所に胃腸障害を訴えて来院される患者さんの ほとんどが「朝食を食べない」と回答されます。

その理由は「目覚めてすぐは胃がもたれて食欲が湧かない」「朝食を摂ると調子が悪くなる」「昔(高校生くらい)からの習慣」などで、これを読んでいるみなさんも ひょっとして朝食を摂らない生活をしていませんか?

 

「胃が悪い時に朝食を摂ると、胃に負担をかけてしまうから身体に良くないのでは?」

 

この考え方、一見、正しそうに聞こえますが、実は、間違っています。(!)

では、どこがどう間違っているのでしょうか?

 

 

 

胃の動きを自転車で例えてみよう

 

胃は、みなさんご承知の通り、食べ物と胃酸を混ぜ合わせて消化する場所ですが、一回の食事で、胃が空っぽになるまで、だいたい4~5時間かかると言われています。

空っぽになった胃にも胃酸は存在するので、食事の時間が長くなればなるほど(食べ物と混ざらないので)胃酸によって胃の壁を傷つけやすくなります。

ストレス性胃炎や胃潰瘍といった病気は、ストレスによって脳の血流を増やすために胃の血流が減少した結果、胃が動かなくなって胃の中に停滞している胃酸が胃壁を傷つけるというメカニズムで発症します。(くわしくは、こちら。←PCでは別枠で開きます。)

 

この一連の胃の動きを自転車をこぐ時で例えてみましょう。

 

私たちが眠っている間は、胃をはじめとする全ての内臓は活動を抑制して休んでいます。(自転車で例えると止まっている状態です。)

以下、胃だけに注目して解説します。

そして、目が覚めた時、胃を動かそうとするのですが、止まっている自転車を こぎはじめる時は、ある程度の力が必要になってきますよね?それと同じで、胃を動かし始める時もエネルギーが必要になってきます。

余談ですが・・・

朝から焼肉とか食べる人ってほとんどいませんよね?それは、消化の悪いものは それだけエネルギーが必要なので、止まっている胃を動かし始めている時には、その分 余計にエネルギーを使わなければならないから食べないor食べたくないのです。(自転車で例えると、坂道で登り方向に自転車を こぐみたいなものです。)

そして、ある程度 自転車のスピードが出た状態と同じで、胃の動きが通常運転(?)できるようになると、それほどエネルギーは必要ないので、昼からランチで肉食をしても大丈夫になります。

ここで、【A地点】から【B地点】まで自転車を こがなくてはならない時を考えてみます。

上記のように、【A地点】直後の「こぎ始め」は結構つらいかもしれませんが、ある程度加速がつくと、ほぼ こがなくても自転車は進みます。

しかし、まったく自転車を こがなかったら止まりそうになるから、止まりそうになった時にはペダルを少しだけ こいでスピードを保ちますよね?でも、この時の力は「こぎ始め」とは比べ物にならない位に軽いハズです。

このように、【A地点】から【B地点】まで、同じスピードで自転車を こいでいれば、あまり力を使わずに楽に進めます。

 

一方、では、【A地点】から【B地点】までの間に、赤信号に何回か捕まりながら進んだ場合はどうでしょうか?

信号で止まる都度、「こぎ始め」ないといけないので、【B地点】に着いた時にはヘトヘトになっているかもしれません。これは、信号機のせい(?)で、余分な体力を使ったということになります。

 

これを胃に置き換えてみると・・・

「ご飯を食べて消化して、やっと胃が空っぽになりかかった時」が「自転車が止まりそうになった時」
「自転車が止まりそうになった時にペダルを こぐ」ことが「次の食事をする」こと

と考えてみてください。

胃が「止まって動いて止まって動いて・・・」を繰り返すと、消化率も落ちます。

 

つまり、胃は、眠っている時以外は、ずっと動いている方が、かえってエネルギーを使わないで済むし、効率よく消化することができるのです!

 

朝、やっとのことで胃を動かしておきながら何も食べなかったり、昼間、極端に食べて胃酸を多く出させたりしておきながら、その後、何時間も食事を摂らない生活は、身体にとって一番やってはいけないことです。

急性胃炎や食中毒などの治療で、胃を休めさせる治療(絶食治療)というものはありますが、そういう緊急事態でなければ、胃の活動を止めることは、かえって胃に負担をかけてしまう恐れがあります。

 

胃が止まらない程度に、起きている時は常に胃の中に食べ物が入っている状態の方が、胃にはやさしいのです。

つまり、1日2食でドカ食いする生活よりも、1日3~4食で1回の食事の量を少なめ(腹八分目)にする生活の方が、胃に負担を与えません。朝は、お粥やホットミルクだけでもいいので、何か少しだけでも食事を摂り、4~5時間ごとに何かを食べる生活を心がけましょう。

 

もし、それでも胃の調子が良くない状態なら、「電動アシスト」的な意味合いで、胃の働きを良くさせる効果が期待できる漢方薬の服用を おススメします。

 

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