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漢方薬って飲み続けると効かなくなるの?

この記事の所要時間: 315

漢方薬と鎮痛薬のちがい

 

漢方治療を続けている患者さんから、「最近、漢方薬を飲んでいても、以前ほどの効果が感じられないような気がするんです・・・」と言われることがあります。

そして、多くの患者さんは、その現象を、例えば「長期間 鎮痛剤を使用していると鎮痛剤が効きにくくなる」ように、漢方薬にも『耐性』が付いてしまったのではないかと思いがちですが、これは大きな誤解です。

 

※ 今、しれっと『耐性』という用語を用いましたが、これは間違いで、正確には『寛容性』と言います。(医学的に用いる『耐性』という用語は、ばい菌が突然変異などで今まで効いていた薬が効かなくなったという意味です。重箱の隅をつつくようでスミマセン。)

あと、鎮痛薬やアルコールなどの長期連用による『寛容性』を解説するためには『レセプター』とか『代謝速度』といった難しい用語を使わなければならないので、バッサリと省略します。

 

 

西洋薬と漢方薬との大きな違いは、「漢方薬が直接病気を治している訳ではない」ということです。

 

西洋薬は、例えば、

鎮痛薬は「痛み刺激が脳へ送られる際の神経伝達をブロックする」
睡眠薬は「脳の活動を低下させることで結果的に眠らせる」
胃腸薬は「胃に作用して胃酸の分泌を抑える」

など、薬効が直接かつ具体的にあります。

 

それに対し、漢方薬は、基本的には『血管拡張作用』によって

「(足がつる とか 各種神経痛など)虚血状態から生じる痛みを和らげたり出現しにくくさせたりする」
「(マッサージの最中に眠くなるように)血行改善効果によってリラックスして眠気が生じる」
「胃の血流を増やすことで胃の動きを回復させる」

など、薬効が間接的なのです。

 

つまり、長期間 漢方薬を服用し続けても、(良好な血行状態が続くだけで)「寛容性が生じた(効かなくなった)」訳ではないです。

 

 

 

以前ほどの効果が感じられない理由

 

では、どうして以前ほどの効果が感じられなくなったと思うのでしょうか?

それは、『漢方薬』=『勉強』と例えると分かり易くなるかもしれません。(ちょっと嫌な例えですが。汗)

 

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例えば、今まで全く勉強したことがなくて ずっと算数のテストが0点だった学生が、「足し算」や「引き算」を1時間勉強して試験を受けたら、もしかしたら、それだけで10点にアップするかもしれません。

そして、その後も「掛け算」「割り算」を勉強して、次のテストで30点まで上がったとします。

すると、今まで何もしていなかった状態から、わずか数時間で0→30点まで上昇したのだから、このまま行けば、あと数時間で100点満点が取れるのではないか・・・とは、そうは問屋が卸さないですよね?

 

漢方薬治療も、今まで何も服用していなかった状態から、わずか数日で身体に良い変化が生じたのに、その後、しばらく何にも進展していない状態が続くと感じることがあります。

 

これは、勉強時間と学力が比例しないのと同じで、それでもコツコツと続けて行けば、ある時、気付いた時には学力が上がっている(=体調が改善している)という状態がやって来るのです。

 

症状改善が停滞しているように感じている期間も、体内では(気が付かないだけで)目まぐるしい変化が起きています。

 

「現状の60点でいいや」か「もっと良くなりたいから勉強を続けよう」かは、あなたの目的次第です。

 

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