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花粉症

花粉症に対して漢方薬は何をしてくれるのか?

この記事の所要時間: 420

花粉症のおさらい(『かんぽう×美』風に)

 

みなさんが ご承知の通り、花粉症はアレルギーが原因ですが、それを分かり易く説明すると、花粉症の人の体内にある【防御システム】が〈花粉 = 病原物質〉と判断し、

①「くしゃみで体の外に吹き飛ばす」
②「鼻水や涙で体の外に洗い流す」
③「鼻を詰まらせて体の中に入れさせない」

といった花粉の侵入経路での防御反応が過剰に行なわれているという状態です。つまり、「花粉を絶対に体内に入れさせない!」という想いが誰よりも強い人と言えます。

(※詳しくは こちら→「【病態編】花粉症の人は騙されやすい? それとも慎重派??」)

 

つまり、花粉症の人は花粉が体内に入りにくい訳ですが、ということは、裏を返せば、花粉症じゃない人は花粉が体内に入り放題ということですよね?

花粉は空気と一緒に肺に入って行くのだから、このままでは、肺に花粉が蓄積していくのではないでしょうか??

 

 

 

 

異物を吸い込むと・・・

 

花粉以外にも、空気の中には ホコリ や 黄砂・PN2.5などの物質、ウィルスなどの微生物といった異物が色々含まれています。

それらのすべてが肺に蓄積されてしまえば、我々の肺は1~2週間で使い物にならなくなります。(ゴミ屋敷みたいに?)

そこで、我々の身体は、常に上気道(鼻や口)から気管~肺にかけて【ゴミ掃除】をしています。

 

 

その方法は、気管や気管支といった部分から分泌される『気道分泌物』とよばれる分泌物(水分)が重要となってきます。

この気道分泌物が、気管や肺にある異物を吸い込みながら口に向かって送り出されているのです。(※ちなみに、肺→気管→口へといった逆流現象を『繊毛運動』といいます。)

 

 

これは、言わば、気道分泌物によって気道を【雑巾がけ】しているようなもので、この汚れた気道分泌物が口腔内で唾液と混ざり、それらを(無意識に)飲み込むことで胃に送っていますが、いつもより ちょっと多くの異物を掃除した時には、気道分泌物も ちょっと多くなり、それが「痰」という形で吐き出されることもあります。(お食事中の方は申し訳ございません。。)

 

また、例えばホコリが舞い上がった状態のような ①一気に大量の異物を吸い込んだ時や、例え ごく微量でもウィルスなどのような ②身体に害をなす異物が侵入してきた時 などといった緊急事態時には、気道分泌物も緊急に多量に分泌され、それが刺激となって咳 や くしゃみ が出ます。大量の異物を吸い取った分泌物には繊毛運動などといった ゆっくりとした反応では生ぬるいからです。(早く綺麗にしなきゃ!)

 

以上の話を まとめると、
「花粉症じゃない人が花粉を吸い込んでも、他の異物(ゴミ)と同じように水洗いされ、ゆっくりと肺から胃の方へ送られるので平気です。」
ということになります。

 

 

 

花粉症に対する漢方治療の効果

 

冒頭に書いたように、花粉症の原因はアレルギーですが、これは、遺伝子レベルの話なのでアレルギー反応そのものを漢方薬で治療することは不可能です。(ちょっと極端ですが「漢方薬で性別を変えてください」と言われてるようなものかもしれません。)

 

では、漢方薬は何をしてくれるのか?

 

それは、
気道分泌物の『原材料』とも言うべき『むくみ(余分な水分)』を減らすように内臓の働きをたすける
という効果です。

 

むくみ にくい身体になれば、気道分泌物の過剰分泌を抑えることができます。アレルギー反応は抑えられなくても、症状の悪化は防げるのです。(※ 気道分泌物は必要なものなので0にするのではなく、過剰分泌を抑えるということがポイントです。)

 

具体的には、急性期の反応には気道分泌物を回収できやすくする漢方薬を用い、長い目で見た治療(花粉のシーズンでは無い時)には、むくみやすい身体を改善させる漢方薬を用いることが効果的です。

 

 

※ 手前味噌で恐縮ですが、私の診療所では『強葛湯(きょうかつとう)』というオリジナルの漢方薬(煎じ薬)を急性期の患者様に処方することが多いです。この漢方薬は、即効性が強く「服用して すぐに症状が改善されました。」という お声も沢山頂戴しています。

1袋200円で、症状に合わせて1日1~3回服用します。
袋を開けてグラスに注いだら、すぐに服用できますが、少々濃く作られているので、これに お湯を加えて飲みやすい量・温度にして服用していただきます。
※苦くないです。(味も飲みやすいですよ。笑)

 

 

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