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え?漢方薬を飲んでトイレの回数が どうなったかって関係あるの??

この記事の所要時間: 37

『○○病に効く漢方薬』という表現は、本当は間違っている!

 

CMやネットで「この漢方薬は○○病に効く!」みたいなキャッチコピーを目にしたことがあると思いますが、厳密に言えば、この表現は間違っています。

 

これを、花粉症治療を例にして説明してみましょう。

 

以前 投稿した通り、花粉症の症状は、花粉という異物を、

「くしゃみで体の外に吹き飛ばす」

「鼻水や涙で体の外に洗い流す」

「鼻を詰まらせて体の中に入れさせない」

といった防御反応が過剰になったものです。(詳しくは こちら

 

そして、鼻水・涙・気管分泌物 といった 分泌液の材料となる『余分な水分』が体内に多い人、つまり、『むくみやすい人』ほど花粉症の症状が強く出ます。(詳しくは こちら )

 

この時、花粉症治療の際に用いられる漢方薬は、『小青龍湯』『柴朴湯』『麻杏甘石湯』『麦門冬湯』などの 〈むくみを改善させる種類の方剤〉 が処方されることが多く、治療成績も良好な事が多いですが、このように 花粉症に対する漢方薬が何種類もあるのは、これらは、「花粉症だから処方する」のではなく「患者さん ひとりひとりの むくみの原因(=『証』)に合った漢方薬を処方する」からです。(むくみの原因は、人によって様々だからです。)

 

つまり、「花粉症に効く漢方薬」と言うよりも、「むくみを改善させる作用によって結果的に花粉症に効いた漢方薬」という表現が正しいのですが 面倒臭いので「花粉症に効く漢方薬」と言っちゃうのだと思います。

 

 

 

病気を治したいのにトイレの回数って関係あるの?

 

喘息 や めまい、耳鳴り といった症状を治したくて漢方専門の診療所に来た患者さんに対し、2週間~20日分 漢方を服用して再診してもらった際、医者は必ず「トイレの回数は どうなりましたか?」と聞いてくるでしょう。

 

その時、「そんなの どうでもいいじゃないか!」って思うかもしれませんが、実は、これは重要な質問なのです。

 

前途の通り、身体が むくむことによって 花粉症や喘息といった症状が出現しますが、ということは、それに対する治療は、体内の余分な水分を尿として排出し、適度な水分バランスに保つ事が重要になります。

つまり、漢方薬を服用したことで

「トイレの回数が増えた」「腎臓の働きが良くなった」

とみなすことができ、「むくみの症状も じきに改善していくだろう」と予測できるのです。

 

toilet_mark

 

これが、むくみ以外の原因、例えば、生理痛や胃腸障害だった場合でも、漢方薬を服用したことで

「トイレの回数が増えた」「腎臓の働きが良くなった」「腎臓への血流が改善した」

とみなすことができ、「漢方薬の作用によって血流が改善したのなら、腎臓への血流 ‘だけ’ が改善するなんてことは あり得ないから、腎臓以外の内臓への血流も改善していき、じきに他の内臓も働きやすくなるだろう」と予測できます。

 

もし、「生理痛が酷くて漢方治療をしているのに一向に良くならない」と思った時、トイレの回数や一回量が増えているかどうかを気にしてみてださい。そして、内服前よりも改善していたら、子宮や卵巣の血流が改善し生理痛が回復してくるのも時間の問題だと思ってみてください。(これが体質改善です。)

 

 

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