なんで背中が痒くなるの?
「痒み」は 痛覚!
医学書などでは、人が感じる感覚を5つに分類して定義されています。
いわゆる『五感』で ①視覚 ②嗅覚 ③聴覚 ④味覚 ⑤触覚 ですが、このうち ⑤触覚 の中に 痛覚 が含まれます。
痛覚って不快な感覚ですよね?
「なんで痛みを感じるんだろう?」「痛みを感じなくできたら どんなに楽なんだろう?」って思ったことは ありませんか?
でも、痛覚は、人の感覚の中でも非常に重要な感覚なのです。
例えば、熱いヤカンに触れて やけど をしたときのことを考えてみます。
この時、「熱っ!」という温痛覚が無かったとしたら どうなるでしょう?
やけど とは、熱により我々の身体の細胞が壊死してしまった状態です。ということは、もし、ここで痛みを感じなかったとしたら、ずっとヤカンを触り続けてしまい、壊死が進行・悪化してしまう恐れもあります。
そして、『痛み』という感覚の中で一番軽い状態が『痒み』や『しびれ』といった感覚です。
我々の身体は、緊急性に応じて、
〈 痒い・くすぐったい・しびれる ~ ちょっと痛い ~ すごく痛い(激痛) 〉
などと、痛みの感覚の強弱を使い分けているのです。
背中の痒みの原因
「背中の痒み」に対し、西洋学では病気の有無を重要視します。
背中の痒みで考えられる病気とは、じんましん・アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎 など、ほとんどが いわゆる『アレルギー疾患』と言われる病気で、肝庇護剤や抗アレルギー剤など症状を緩和させる薬を投与することで痒みを抑えることができるかもしれませんが、これらは対症療法と言って根本的な治療ではありません。
一方、東洋医学では、「どうして痒く感じるのか?」を重要視します。
背中は『上半身の表面部分』で、(下半身と比べ)血液が多く渋滞している(のぼせている)部分です。(詳しくはこちら) しかも、身体の表面部分なので、外気の影響を受けやすい部分でもあります。
だから、一日中生活して筋肉が疲れると、背中周辺に血液の渋滞化(のぼせ)が進み、そういう時に入浴などで背中の表面の血管が急に拡張すると(正座を急に解除した時のように)一時的に血流が悪くなってしまいます。
他にも、大気が乾燥している季節で身体が乾燥している時や、暑い季節やイライラ時に上半身が のぼせて発汗→あせも が生じた時などもまた、血流が悪くなった時と考えます。
つまり、身体が「何かおかしいですよ!」と知らせるために「痒み」という感覚が出現するのです。
病気の有無は確かに影響しますが、例えば、「アトピーだから仕方がない」と思うのではなく、「アトピーでも調子がよければ症状が出ない時もあるのだから、今、痒みが出たとしたら、それは何らかの理由で血流が悪くなってしまった時だ」と思って欲しいのです。
最近頻繁に背中が痒くなる・・・といった症状のみられる方は、上半身の『のぼせ的血流障害』が存在しているので、身体(特に下半身)を温めて上半身の のぼせ を解消させたり、早く寝て疲労を解消させたりする必要があり、それをしやすくする漢方薬を服用するのも良いかもしれません。
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