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疲労

腕よりも足が太いのは何故? これを読めば分かる筋肉の5つの不思議

この記事の所要時間: 242

心臓と下半身と重力

 

みなさんは、「足は第二の心臓」という言葉を聞いたことがありませんか?

これには、『心臓の位置』が大きく関わっています。

 

以下の写真の心臓の位置(オレンジ色)に注目してください。
(※細かい文字は読む必要ありません。)

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我々の心臓は、上半身の やや上の方にあり、そして、通常、我々の下半身は、寝ている時以外、心臓よりも常に低い位置にあります。

 

この時、

(図の赤い矢印)血液を押し出す圧力 (動脈圧←俗にいう『血圧』)は、重力の影響を受けないくらい高い圧なので、上半身にも下半身にも十分な量の血液を送ることができます。

一方、

(図の青い矢印)血液が戻ってくる時の圧力 は、実は動脈圧の1/10程度の低い圧で、①上半身の血流は心臓に戻りやすいのですが、②下半身の血流は重力や血液自体の重さなどの圧力が掛かり、戻りにくくなります。

 

このままでは、下半身の血液が流れにくくなりますよね?

そこで必要になってくるのが『(下半身の)筋肉』なのです!

 

 

筋ポンプ作用を理解しよう

 

またまた、先に、以下の図を ご覧ください。

筋ポンプ作用と静脈弁

これは、図の下部(足先)から上部(心臓)の方向に流れる足の静脈と、それを取り囲んでいる筋肉をイメージしたものです。

 

筋肉が膨らんでいる時は、『筋肉の弛緩時』といい、力が入っていない状態で、
筋肉がしぼんでいる時は、『筋肉の収縮時』といい、力が入っている状態です。

また、全身の静脈には、図のように『弁(べん)』が付いていて、血液が一定方向にしか流れないようになっており、この、筋肉の収縮・弛緩 と 静脈弁の関係により、下半身の血流が保たれているのです。

 

具体的には、

『筋肉が膨らむと静脈弁が圧迫されて開き、筋肉が しぼむと静脈弁が閉じる』という動きを交互に行なう事によって、静脈の血管内にある血液が、少しずつ心臓の方へ近づいていきます。(下図参照。)

筋ポンプ作用と静脈弁2

これを『筋ポンプ作用』と言い、特に下半身の血流の維持に重要な役割をしてます。

 

 

そして、この筋ポンプ作用を理解すると色々な事が見えてきます。

 

① 腕よりも足の方が筋肉量が多く、太い。

② 筋肉は 疲れると硬くなる性質があるので、良く寝た日は筋肉の疲れも取れ、調子が良い。
(例えば、飲み過ぎた翌日に、体中が むくむ なんてことがありませんか?)

③ 朝は調子良くても、立ち仕事などで筋肉を疲れさせると、夕~夜に筋肉が疲労してきて、足がむくむ。

④ 一般的に、筋肉量の多い男性よりも、筋肉量の少ない女性の方が、血行不良 → 冷え症 になりやすい。

⑤ 人間の筋肉は、10~30代をピークに衰え始めるから、年齢を重ねるに連れ 冷え症の症状が目立ちやすい。

 

みなさんにも、思い当たる ふし がありませんか?

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