なぜ『アタマ』はカラダの一番上にあるのか? その2つの理由とは?
頭と心臓の位置関係
人間に限らず、ある程度 脳が発達していて 体の大きな動物のほとんどは、体の一番上に頭があります。
もう少し正確に言うと、頭部は心臓と比べると、同じ~高い場所 にあります。これはなぜでしょうか?
脳はとても大事な部分
①『機能性』からみる理由
人間の内臓の優先順位を決めるなんて意味がないこと(※全部重要だから)ですが、それをあえてするならば、ダントツの1位は、やはり『脳』です。人間が他の動物より知能が発達しているのは、脳が大きくて精密だからです。
ダントツ1位の重要度なので、『脳』は『頭蓋骨』という頑丈な入れ物に入れて他の内臓よりも厳重に守られています。また、それを竹のように弾力性のある『背骨』で支えることによって、飛び降りたり殴られたりした時の衝撃をまともに受けずに分散させることができます。
つまり、『脳』は、身体全体から独立した場所、かつ、膝や腰部、頸部などで衝撃を分散させることが出来る場所に置くのが安全で、それが身体の一番上部なのです。
②『脳血流量』からみる理由
そんなに精密で優秀な脳も、常に酸素や栄養素を送り続けなければ動くことが出来ません。
これを、【脳】=【パソコン】、【酸素や栄養素】=【電力】に例えれば、パソコンの性能を最大限に発揮させるためには、常に一定の電力が必要なのと同じで、脳を効率よく動かすためには脳血流が重要になってきます。
以前の投稿で、「血流と重力との関係」について解説しました。(詳しくは腕よりも足が太いのは何故? これを読めば分かる筋肉の5つの不思議を参照。※別枠で開きます。)
簡単におさらいしてみましょう。まずは、下の図に注目してください。
心臓は、血液を押し出す時には強力な力で押し出していますが、血液を集めている時は(強く吸い上げているのではなく)ゆっくりと膨らんでいます。
例えば目の前に小さなホコリがあった時、「フッ」と吹いたら簡単に吹き飛びますが、どんなに強く吸い込んでも、そのホコリは1ミリも動きませんよね?
心臓も肺と同じように「ゆっくり膨らんで強く吐き出している」のです。
ということは、動脈(行き)は、重力の影響を受けないくらい強い圧力で全身に血液を送り出せますが、静脈(戻り)は、重力の影響をまともに受けてしまうので下半身の血流が悪くなります。
こういう血流なので、もし頭が下半身にあったら、脳血流が うっ血してしまいます。(長時間逆立ちしたら そうなりますね。)
つまり、集中力を高め、脳を効率良くフル稼働させるためにも、頭は上部になければならないのです。
では、脳を休ませるためには・・・?
先程の【脳】=【パソコン】のたとえの続きで考えると、パソコンを何時間もフル稼働し続けるとオーバーヒートしてしまい、故障の原因にもなりかねません。そのため、ある程度のところで電源を切ってクールダウンさせなければなりません。それを我々の身体で考えると「寝る」ことに相当します。
深い睡眠を取るためにはリラックスしなければなりません。それをを、ちょっと医学的に表現すると、
(リラックス状態=副交感神経の作用)によって ほぼ全身の血管が拡張する
→全身の血流量が増える=脳の血流量が低下する
→脳の活動が低下する=眠気が生じる
といった反応が起こり、深い睡眠を取ることが出来ます。
安眠効果を高めるためには、頭はクールダウンさせ、下半身を温める(冷やさない)ようにするのと同時に、頭と心臓と足を同じ高さにする(重力の影響を受けさせないようにする)ことが重要です。
不眠で お困りの方は、眠れなかったとしても上記のような状態で目を閉じているだけで、(睡眠時と比べれば劣りますが)疲労は解消できます。
眠れないからと、起き上がって何かをするのは、一番悪い行為です。
この記事が気に入ったらシェア!
0
0
いいね!0
1
pocket