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疲労

なぜ女性は低血圧になりやすいのか?

この記事の所要時間: 349

低血圧って、どうして起こるの?

 

低血圧についてネットで調べてみると「全身に血液を送れず、たちくらみ・めまい・全身倦怠感などの症状が出現し、原因は出血・心不全・薬剤などの特殊な場合を除き、ほとんどは、生まれつきの体質・自律神経失調症などが影響しています」といったような内容が多いです。

 

私は、以前の記事で「自律神経失調症は病気ではありません。」と投稿しましたし、個人的には、上記のような説明では低血圧の原因を誤魔化している気がしてなりません。

 

なので、今回は『かんぽう×美』的に低血圧の原因を解説してみたいと思います。

 

 

『圧力』を知ろう

 

まずは、下のイラストをご覧ください。

『ホース』=『血管』、『水』=『血液』と仮定すると、『水が放出される時の圧力』が『血圧』に相当します。

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ホース内を流れる水量が多ければ多いほど、水は勢いよく(高圧で)放出されます。

反対に、ホース内の水量が少なければ、水はチョロチョロと(低圧で)出てきます。

 

水の勢いは、ホースの太さやポンプ圧を調節することによっても左右されますが、調節範囲には限度があり、水量と比べれば、影響は微々たるものです。

 

同様に、よほどの緊急事態でも無い限り、自律神経系の働きや心臓の力によって低血圧を引き起こすことは ありません。つまり、一般的な低血圧は、血管内を流れている血液量が少なくなったために生じるのです。

 

 

 

全身の血流量が少なくなる状況とは?

 

以前の記事で「ヒトの身体は 上半身よりも下半身の方が血流が悪くなりやすい。」と投稿したことがあります。

この時、重要になってくるのが下半身の筋肉で、筋肉が収縮・弛緩を繰り返すことで静脈が収縮・拡張され、血液が重力に逆らって心臓に運ばれます。(これを筋ポンプ作用と言います。)

この動きは、駄菓子屋で売っているようなチューブ入りのジュースを凍らせて食べる時にチューブを手で もみほぐすと中身が出やすくなるのと同じです。

筋ポンプ作用と静脈弁2

疲労の蓄積などで筋ポンプ作用が弱くなると下半身へ流れるハズだった血液は上半身に流れていくので上半身の血流が増加していきます。

大雨などで河川の水量の増加が限界を超えると周囲に水が氾濫(はんらん)するように、上半身の血流の増加で上半身の血管の許容量を超えると、顔や胸の表面にある毛細血管へ血液が流れ込んで氾濫したような状態になります。

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毛細血管内へ血液が氾濫(=貯蔵)されてしまうと、動脈~静脈に流れている血液が減少していくので、消防車のイラストで例えると「ホース内の水量が少なくて水がチョロチョロと出ていく低圧状態」になります。

 

これが『かんぽう×美』的に考える低血圧の原因です。

 

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一般的に男性よりも女性の方が筋肉量が少ないので低血圧に なりやすいですが、体力があっても一日の疲れを取りきれずに翌日を迎えてしまい、また疲労を蓄積していく・・・という経過が慢性化すれば、女性だけでなく男性も低血圧を呈する場合があります。

 

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正しい低血圧の治療法

 

みなさんは、「低血圧の治療=昇圧剤」と考えるかもしれませんが、昇圧剤というのは、一般的に血管収縮作用・強心作用(心臓の拍動を増やすような作用)で血圧を上げるので、全身に流れている血液が少ない状態で そのような作用を引き出しても、「つじつま合わせの血圧」となってしまい、かえって身体の隅々に血液が流れにくくなる恐れがあります。

 

一方、漢方治療によって下半身の血管が拡張して筋ポンプ作用が回復すれば、まず上半身→下半身への血流が増えるので、上半身の血流が上半身の血管の許容量以下となります。すると、上半身の毛細血管内で氾濫(=貯蔵)されていた血液が再び動脈~静脈に戻りやすくなるので全身に流れている血液が増え、「理想的な血圧」になります。

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これが つじつま合わせではない「低血圧の真の治療」です。(漢方薬が血圧を上げるのではなく、結果として良い血圧まで回復するという表現が正しいです。)

 

 

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