右利きの人が左側に強い筋肉痛を感じたら・・・!?
疲労について
我々は、特に激しい運動をしなくても 一日普通に生活しているだけで体力が消耗され、夜には疲れてしまいます。(だから寝ることで体力を回復させているのですが、今回は省略します。)
我々の身体はロボットではないので体力などを数値化することはできませんが、今回、無理やり数値化して説明してみたいと思います。(RPGのように・・・)
まず、右利きの人(勇者?)の体力(≒筋力)の合計を100ポイントとし、その内訳を(利き手である右側の筋力の方が よく使われて鍛えられているので)右側:60ポイント、左側:40ポイントとした場合、以下の図のようになります。
そして、一日中動いて合計80ポイントの体力を消耗した場合は、以下の図のようになります。
この図の意味は、「はじめは右側(利き手)中心に筋力を使っていたけれど、それでは右側だけ疲れてしまうので、我々は左側の筋肉もバランスよく使い、だいたい、右側:50ポイント・左側:30ポイントくらいの割合のダメージになるように無意識に調節している」ということです。
急性疲労の図
では、ここで80ポイントではなく120ポイントの体力を消耗した場合はどうなるかと言うと・・・
(体力:100)-(疲労:120)=-20になりますが、利き手でない左側よりも、ついつい右側の方の筋肉を使うので、右側の筋肉の疲労が目立ちます。
これを我々の生活に当てはめると、「急にドっと疲れるような事があった場合、利き手側の筋肉の疲労(コリ)が進み、利き手でない方と比べて強い痛み(筋肉痛)が出やすい。」ということになります。
慢性疲労の図
そして、この急性疲労の最中に体力を回復させることが出来ずに疲労が蓄積していき、累計160ポイントの体力を消耗してしまった場合はどうなるかと言うと・・・
この時、もう右側の筋肉は疲れ切ってしまっているので、利き手でない左側の筋肉を使って体力の消耗を庇おうとします。
しかし、利き手と比べて もともと筋力の弱い(鍛えられていない)左側の筋肉は、右側と同じだけ動いた場合、-40ポイントのダメージを受けてしまいます。
すると、右側の-20ポイントのダメージよりも左側の-40ポイントのダメージの方が目立ち、我々の身体は、あたかも、右側の筋肉は疲れていないかのような錯覚を受け左側の筋肉だけが筋肉痛になったような違和感を感じてしまうのです。
みなさんは、例えば、トイレに行きたいような腹痛を我慢したくて腕を強くツネってお腹の痛みを紛らわそうとした事はありませんか?
同時に何カ所かに痛みが出現すると、弱い方の痛みが強い方の痛みに「マスク」されるのです。
ということは、利き手と反対側の筋肉がコっていたり圧迫したときに強い痛みを感じたりした場合は、慢性疲労の可能性が高いのです。
我々漢方医は、腹診時、このような所見を見逃さずに患者さんの状態を瞬時に把握しているのです。(お腹を無意味に押して嫌がらせをしている訳では無いですよ。笑)
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