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疲労

疲れる事してないのに「疲れてるね」って言われる理由

この記事の所要時間: 329

「わたしは疲れる事をしていない」は正しい?

 

私の診療所に来院される患者様の中には、
「疲れるような事をしていないのに、人からは『疲れてるね?』って言われるんです。」
と、話される方が多くおられます。

そういう患者様を実際に診察してみると、そのほとんどの場合で明らかな『疲れの症状』が存在していました。

 

間違いなく『疲れの症状』があるのに、本人は「疲れる事はしていない。」と言う。

これは どういう訳なのでしょうか?

 

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疲れ とは何だ?

 

疲れは、まず、
① 病的な疲れ(病的疲労)と、
② 日常の許容範囲内の疲れ(生理的疲労)に
分類されます。

文字通り、①は病気によって生じた血流障害などが原因となる疲れで、②は いわゆる普通の疲れです。

 

このうち、②は、
②-1 脳からくる疲れ(中枢性疲労)と、
②ー2 脳以外からくる疲れ(末梢性疲労)に
分類されます。

②-1は人の話を聞いたり自分の将来について考えたりするなど、頭を使った作業の末に出現する疲れで、②ー2は日常作業やスポーツなどで筋肉を使った運動の後に出現する疲れです。

 

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↑こういう話は『かんぽう×美』的ではない(?)ので、もっとシンプルに考えると以下のようになります。(笑)

 

 

疲労は、あなたの持っている『気力・体力』vs『その消費量』の差によって生まれると考えてよいでしょう。

 

例えば、
あなたの持っている『気力・体力』が『100ポイント』あるとすれば、一日の消費量が100ポイント近くになると強い疲れとして感じるようになります。すると、動作が緩慢になったり精神的に沈んだりといった兆候が見られ、身体から「休息をちょうだい!」という要求が来ます。そこで実際に気分転換やマッサージなどの休息を取ったり深い眠りについたりすれば、また『気力・体力』が100ポイントに回復します。

 

ここで、
もしあなたが深い睡眠を取ることができずに、朝起きた時点の『気力・体力』が90ポイントからスタートしたとしたらどうでしょうか?その日は、前日と同じ行動しかしなかったとしても、その日の寝る直前の あなたの『気力・体力』ポイントは、前日よりも間違いなく10ポイント少なくなっています。

 

そして、その晩も また深い睡眠を取ることができなかったら・・・。

 

つまり、冒頭の患者様は、
「疲れる事はしていない(=日頃と変わらない)」のですが「疲れを取る事もしていない」のです。

 

 

 

よく ご高齢の方が
「私は最近は あまり動くことも無いから3~4時間の睡眠でも十分疲れが取れます。」
と お話しになられますが、これは大きな誤解です。

 

実は『寝る』ためには ある程度『寝るための体力』が必要になってきます。

しかし、ご高齢の方は一般的に筋肉量が少なく『慢性疲労』の状態になっていることが多いので寝ることが出来ず、そのため『気力・体力』が回復できないといった悪循環に陥り、結果、病気になり易くなってしまうのです。

 

もし、あなたが若い方であったとしても、睡眠時間が足りないと結果は同じことです。

よく
「私は6時間寝てるから大丈夫。」
と お話しになられる方が おられますが、睡眠は『時間』ではなく『深さ』が重要です。

それに、6時間の睡眠だけでは、現状維持はできても蓄積されている疲労を取り除く事までは出来ないので、「疲労の現状維持状態」になっているかもしれません。

 

夕食時に漢方薬を服用することで眠りが深くなる可能性が高くなります。

 

 

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