ああ勘違い…温めなければならないのは そこじゃない!
体温を調節しているのは・・・?
我々の体温を調節しているのは、実は、血液です。
血液は我々の体内で一番温かく、「熱湯が多く流れている水道管を触ると熱い」ように「血液が多く流れている血管の周囲を触ると温かい」のです。
具体的には、首や脇の下、股の付け根などは、太い動脈が身体の表面近くに流れているので触ると温かいです。
次に、熱湯のバルブが半分以上閉じた水道管を触った時を想像してみてください。この時は、熱湯の湯量が少ないから それほど熱くはならないハズです。
それと同じで、本来の血流よりも少ない量の血液しか流れていない場所は冷えてしまうのです。
冷えが強く出現する場所
よく、「私って冷え症なのよね。」というように気軽に使われる『冷え症』という言葉。これを 仰々しく 病名っぽい表現に言い換えると、『末梢循環障害(まっしょうじゅんかんしょうがい)』と言います。
脳や体幹部を『中枢(ちゅうすう)』と言うのに対して、手や足の先端部を『末梢(まっしょう)』と言いますが、末梢は心臓から遠く、血管が細いので、『外気の寒さ』や『緊張』などといった要因により すぐに血管が収縮し冷えてしまいます。
次に、我々の身体を『上半身』『下半身』という区切りで見てみると、過去の投稿で お話ししているように、(重力に逆らって流れなければならないので)下半身の血流は上半身よりも悪く、その結果、下半身が むくみ、冷えやすくなります。
つまり、『下半身の末梢部分』である、ふくらはぎ ~ つま先 あたりが、我々の身体の中で一番冷える部分なのです。
寒い時の反応
しかし、みなさん、想像してみてください。
冬の寒い日、冷たい風が身体に当たった時に「寒い!!」って思うのは上半身(特に 胸 や 背中 あたり)ではないですか?
これは、『温度差』がポイントになってきます。
「下半身が冷えている」ということは、逆に言えば「上半身が温かい」状態です。
つまり、冷たい風が吹いた時、温度差が大きいのは上半身の方で、瞬間的に「寒い!」と感じてしまうのです。
また、下半身は慢性的に冷えている状態なので、もともと冷えに耐えやすいという事もあると思います。
しかし、ここで下半身の冷えを放置してしまうと、下半身の血管の収縮が進み、下半身に流れるハズだった血液の量が減少し、結果、上半身が もっと のぼせてしまう・・・という悪循環が続いてしまいます。(これを『冷えのぼせ』と言います。)
とはいえ、上半身まで冷えてしまったら大変なので、コートを着るのは間違っていませんが、そういう時には「あっ、下半身も温めなきゃ!」って思い、厚手のストッキングや靴下、タイツなどの防寒対策を講じてください。
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