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冷え症

惜しい!! コートだけでは冷え対策は不十分!?

この記事の所要時間: 325

人間は発熱体??

 

人間も動物も、食事によって得た栄養素を使いながら身体を動かして発熱反応を起こすことで『生きるためのエネルギー』をつくっていますが、その方法は、掃除機が正常に作動する際に熱を持つのと同じです。

掃除機を長時間使い過ぎるとモーターに負担が掛かりオーバーヒートで故障してしまうので、定期的に機械を停止させる必要がありますよね?

掃除機=人体 と置き換えると、長時間 熱を出し過ぎると熱は得られても逆に身体に負担が掛かってしまうので、クールダウンさせる必要があります。これが「寝る」行為に当たります。
(詳しくは こちら → 「安眠のコツ教えます~あなたは間違った寝方をしていませんか?」)

 

 

一般的に、空気の温度は体温より低いので、人体は常に外気で冷やされています。

また、外気が急に暑くなったり寒くなったりした時にも すぐに対応できるために 我々の体は 常に体温コントロールしています。(ちなみに、この働きを『恒常性(こうじょうせい)・ホメオスタシス』と言いますが、もちろん覚えなくていいです。笑)

 

 

 

寒い時の体温コントロール

 

少々 オーバーに言うと、我々が寒いと感じたということは、我々の身体の【防御体制】が体温低下の危機と判断したということであり、交感神経を介して皮膚表面の血管を収縮させ体温の放熱を抑えようとします。

 

ちなみに、この時の反応を、東洋医学では『熱が内に籠(こも)る』とか『内熱がある』などと言います。
(内熱があるのは、慢性の冷えが存在しているということです。)

 

このような〈血管収縮による体温コントロール〉が発達しているのは人間だけです。

というのも、人間以外のほとんどの動物には『毛』があり、放熱を避けるために、寒さを感じると毛を逆立たせて 皮膚に接する外気量を少なくすることができるからです。

 

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コートは動物の毛の代わり

 

しかし、〈血管収縮による体温コントロール〉は、急に体表面の血流が変わるので体力の少ない人には負担が大きい反応です。

そこで、必要となってくるのが『コート』や『セーター』などの衣服(アウター)で、動物の毛の代わりに外気と皮膚の接触を抑えているのです。

 

・・・ここで、みなさん思い出してください。

冬、冷たい風が全身に当たって『寒い』と感じても、上着しか羽織らないのではないですか?

 

 

 

人が『寒い』と感じるのは、外気と皮膚の温度差が大きい時です。(ここがポイント!)

ということは、体の中で一番温かい血液が多く流れている上半身は温度差により寒く感じますが、血液が流れにくくなっている下半身は上半身ほど温度差を感じないのでスルーしがちになってしまいます。

 

ここに どういう意味が隠されているのかというと・・・

 

上半身に寒さを感じた
→上着で温めようとする
→血管収縮による体温コントロールの負担が軽くなる

 

のに対し、

 

下半身は寒さを感じない(気にならない)
→体の【防御体制】は異常に気付いて血管収縮による体温コントロールをする
→下半身の血流がもっと悪くなる

 

つまり、

 

コートを羽織るだけでは上半身と下半身の温度差が激しくなり『冷え症』の症状が進む恐れがある

 

ということです。

寒いと感じた時は、コートだけでなく、タイツやロングスパッツなどの下半身を冷やさない注意もしないといけません。

 

 

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