怒りのメカニズム~人はどうして怒るのか?
人はどうして怒るのか?
イライラしている人を見たり自分がイライラしているのに気付いたりした時に嫌な気分になることがありますが、実は『怒り』という感情は、自分の身を守るためには必要な感情なのです。
心理学上、一般的に『怒り』という感情は、「悔しい」「辛い」「悲しい」などの感情や「○○するためには××しなきゃならない」などといった思考に対する感情が 〈心の器〉 みたいなものに溜まっていき、それがついに 溢れだした時に出現する二次的な感情と言われています。
怒った時、身体に どんな変化が起きているの?
怒りという感情が発動すると、副腎から『アドレナリン』というホルモンが分泌され、これが交感神経を刺激することで更にテンションが高まります。
一説には、アドレナリンが分泌されて体内で消失するまで 5~7秒かかると言われています。
ということは、怒りが爆発してからの7秒間が『最も怒り狂う?時間帯』であり、ついカッとなって人に暴言を吐いたり殴りかかったりなどという行為をしてしまうのが その『魔の7秒間』なのです。
怒るのは悪くない! でも 怒りすぎるのも良くない!
冒頭でも述べましたが、怒るという行為自体は身体の防御反応の一つです。
人によって 〈心の器〉 の大小はありますが、怒りを爆発させずに ずっと感情を溜め込んでしまうと、ストレスが蓄積し身体に悪影響を及ぼします。
それを、怒ることで体内にある鬱憤(うっぷん)を晴らして防いでいるのです。
しかし、怒りすぎても アドレナリンが分泌され続けて血圧上昇などの身体に悪影響を及ぼします。
感情をコントロールしよう
現代人は怒りっぽくなっていると言われています。
その理由には、デジタル化などの文明の発達により あらゆるものがスピードアップしたことによって、その変化に対応しなければならなくなったことと、個々の価値観の尊重・多様化により自分とは価値観の合わない人と遭遇する機会が増えたことも関係していると思います。
また、PCやスマホによって眠る直前まで仕事をしたり情報を見たりすることができるようになったのも大きいです。
寝る直前にリラックスすることができなければ眠りが浅くなり、翌日、疲れが取り切れていない状態から忙しい一日が始まります。
疲れていても頑張らなければならないから、怒っていなくてもアドレナリンが分泌している状況になり、ちょっとしたことでもイライラしてしまうのです。
感情をコントロールするためには、イラっとしたときに深呼吸などをして7秒間だけグッとコラえるように努力したり、適度な飲酒やカラオケなどで大きな声を出したり、スポーツやショッピングをしたりして気分転換し、 〈心の器〉 の中身を減らすように心がけることが重要です。
東洋医学的にはには、『香蘇散(こうそさん)』や『半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)』などの〈気の動きを整える〉働きのある漢方薬を使いながら、その日の疲れをその日のうちに解消させるように心がけた生活をした方が良いでしょう。
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