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飲酒

お酒で寝ても熟睡できない理由

この記事の所要時間: 334

どうして お酒を飲むと酔うの?

 

「アルコールを飲むと酔っぱらう」・・・そんなことは みなさん知っていますよね?

でも、「どうなると酔っ払い、どうなると酔いから醒めるのか?」を詳しく知ることで、医者が飲酒による睡眠をススメない理由が分かってきます。

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アルコールは胃と腸で吸収され、血流に乗って全身に回り、肝臓で分解されます。

肝臓のアルコール分解能力には個人差がありますが、一般的に(数時間単位で)時間をかけて ゆっくり分解されるので、一度に大量のアルコールを摂取すると全身の血中アルコール濃度が急上昇します。

 

血中アルコール濃度によって、

①爽快期<②ほろ酔い期<③酩酊期<④泥酔期<⑤昏睡期

などと分類されますが、アルコールは「中枢神経(脳の働き)を抑制する作用」が強いため、右に行くにつれて血中アルコール濃度が高くなっている状態、すなわち、脳の内部にまでアルコールが浸透している(=脳がマヒしている)状態と言えます。

 

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(脳がマヒしている)≠(熟睡している)

 

以前の投稿で、『我々の身体』を『工場』に、『内臓や筋肉』を『機械』に例えて、

工場の営業時間中(起床中)、機械(内臓や筋肉)を長時間フル稼働させ過ぎるとオーバーヒートしてしまうかもしれないので、ある程度 稼働させたら停止してクールダウンさせなければならず、その行為が『寝る』ことに相当します。

と説明しました。

 

 

飲酒によって眠くなるのは、(脳がマヒする)=(脳の活動が抑えられる)ことによる結果です。

寝てはいるものの、実は、この間、肝臓は休むことなくアルコールを分解する『強制残業』をさせられているのです。

 

この時の脳の動きに注目すると、通常の睡眠時のようにリラックスして血流が良くなって寝ているのではなく、あくまでも、アルコールによってマヒさせられた状態で寝ているので、(強制残業している肝臓の働きにより)血中アルコール濃度が減少してくると、マヒ状態が改善するから、マヒする直前の緊張状態に戻り、目が覚めやすくなります。

 

 

つまり、「お酒を飲んで寝る」という行為では、決して熟睡できないのです。

 

むしろ、「お酒を飲んで寝る」という行為は、「驚いて気絶している状態」に近いのではないでしょうか?

 

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気絶して数分~数時間後に目覚めても、「あ~よく寝た」には ならないですよね? むしろ、気を失う直前の状態(恐怖とか?)が続いているイメージがあると思います。

「アルコールによるマヒ」と「一時的な脳虚血(酸素不足)」による違いはありますが、いずれにしても、脳や身体が休息しそうにないことは想像できると思います。

 

 

 

では、睡眠薬は熟睡できるの??

 

睡眠薬に頼って寝る行為も、『アルコール』と『睡眠薬』を置き換えただけなので、あまり おススメできません。

しかし、具体的に言うと、『睡眠薬』は 正式には『睡眠導入剤』と言い、導入部分、つまり寝付きを良くする目的で用いられていることがポイントです。

睡眠薬服用1~2時間後に睡眠薬の成分の血中濃度が上昇することで脳の活動を停止し入眠させますが、アルコールと違い、超短時間で その成分は分解され、肝臓をはじめとする内臓・筋肉の『残業時間』が短縮されるので、二日酔いレベルのダメージは受けにくいです。

 

そのことを理解して服用していればいいのですが、睡眠薬だけで寝る行為では、みなさんが期待しているような安眠効果は期待できないのです。(少し乱暴に言うと、「全く寝れないよりはマシ」というレベルです。)

そのためには、コタツに入って眠くなるような、全身の血流を改善してリラックス状態を増強させる効果が期待できる漢方薬を服用する方が身体に優しく、かつ、確実に改善していくと思います。

 

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