ウィルス感染症に対する誤解を解く~抗生剤では 絶対に 治らない!
抗生剤信者にはならないで!
風邪をひいて病院を受診した時「抗生剤をください。」って言ったことありますか?
実は、これ 間違った治療法なんです。
中耳炎や溶連菌感染症など、細菌感染症の中にも風邪に似た症状が出現するので混同しやすいですが、一般的な風邪の原因のほとんどはウィルスによるものです。(インフルエンザウィルス とか ノロウィルス のように。)
ヒトの身体に害をもたらす細菌やウィルス、真菌(カビなど)を総称して『病原体』とか『病原微生物』といいますが、細菌とウィルスは性質が全く異なります。
詳しい事まで知る必要はありませんが、重要なのは、細菌や真菌には抗生物質が効果的な場合が多いのにウィルスには抗生物質が効かないということです。
ウィルス感染症を治す唯一の方法
つまり〈①風邪をひく→②病院でもらった抗生剤を飲んで様子をみる→③症状が改善した〉のは、抗生剤のおかげではないのです。
それは何かというと・・・・我々の身体の免疫系(抗体)の作用です。
我々の体内に病原体(細菌でもウィルスでも真菌でも)が侵入してきた時、体内をパトロールしていた免疫系(白血球)が病原体(敵)を発見し、すぐさま攻撃します。
しかし、パトロール部隊の装備では太刀打ちできないような悪質な敵が侵入してきた場合、免疫系は その敵を分析し、やっつけることのできる強力な武器の製造にとりかかります。この武器が『抗体』です。
病原体の毒性などにも影響されますが、一般的には、ある病原体に対する抗体を製造するまでに数日~数週間かかります。
だから〈①風邪をひく→②抗生剤を飲んでも飲まなくても様子をみている間に抗体ができた→③症状が改善した〉のです。
抗体を製造しやすい環境にする
幼い頃、風邪をひいて学校を休むと「ずっと寝ていなさい」と言われ 眠くも無いのに一日中 布団に入り、いつもは食べないようなメロンなどの御馳走を食べた・・・というような経験はないですか?
武器(抗体)を製造するためには、材料(タンパク質など)と製造工場の電力(骨髄などへの血流)が必要になってきます。
つまり、幼い頃の風邪をひいた時の対応は、
・風邪をひいた = 体力が低下している時に もっと体力が低下するような事態(感染)になった
・いつも以上に体力を蓄えなければならない = 眠たくなくても寝る&食べたくなくても食べることで抗体が作られやすくなる。
という反応を期待しての行動であり、つじつまが合っているのです。
大人になって、社会に出て生活するなどして なかなか休めない状況だと思いますが、風邪を早く治すには、子供の頃のような対応が実は一番良いです。
しかし、メロンなどの御馳走は食欲を増すためには効果的な手段ではありますが、胃がもたれていれば どんなに御馳走でも消化しにくいので、風邪をひいた時は、胃の働きを助ける漢方薬や全身の血流を改善させるような漢方薬が効果的です。
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