熱が出る人ほど風邪は早く治る~病気が熱を出させているのではない!
人間の身体は病原体にとっては楽園
私たちが快適に過ごせる温度というものがあるように、細菌・真菌・ウィルスなどの病原体にも快適に過ごせる温度があります。
病原体がヒトに感染するのは、ヒトの体温が病原体にとって快適に過ごせるからであり(このまま何もしなければ)どんどん増殖していきます。
抗体はピストルの弾?
病原体が侵入してきた時、我々の免疫系は手持ちの武器で攻撃する一方で、抗体の製造に取り掛かります。
筆者は〈抗体〉=〈ピストルの弾〉と よく例えるのですが、抗体は『(病原体などの)ある特定の敵だけに効果のある武器』であり 我々の身体は どんな異物に対してもピッタリ合う抗体を作ることができます。
(※異物の中には、病原体以外にもスギ花粉や移植細胞なども含まれ、それがアレルギー反応や拒絶反応・自己免疫疾患などの原因になることもありますが、今回の内容とは逸れるので省略します。)
敵がインフルエンザやノロなどの 手持ちの武器ではビクともしないような病原体だった場合、抗体が出来るまでの数日~十数日間は、病原体から見れば「楽園に敵がいない状態」なので どんどん増殖してしまいます。
ここで我々の身体は何をするのかというと、なんと体温を上昇させるのです。(ここがポイント!)
体温が上昇すると、病原体から見れば「楽園の気温が変わって住みにくい状態」になるので増殖しにくい。
つまり、我々の身体の方が(わざと)体温を上昇させることによって病原体の増殖を抑えようとしているのです。(病原体が熱を出させているのではないのです。)
体温を上昇させることは、身体にとっても『諸刃の剣』で 体力の消耗が激しく 食欲低下などの悪影響も生じますが、この緊急事態を乗り切るためには何としても必要な防御反応であり、これは体力のある人ほど熱を出して それに耐えることができるから、抗体というピストルの弾が出来上がった時に、敵の数が少ないので短期間で楽に倒すことができます。
つまり、体力のある人ほど風邪をひいた時に熱を出してすぐに治してしまうのです。
一方、体力が少ない人は体温を上昇させることもできないくらい疲れているから、抗体自体が出来上がるまでの時間も遅れるだろうし、その間にも どんどん増殖していくので、ピストルの弾が出来た頃には とんでもない数になり、敵をひとつひとつ倒して全滅させるには相当な時間を要します。
「風邪をひかない」のではなく「ひいてるのが気付かない」
虚弱な人よりも体力はあるけど頑張りすぎて十分な休息を取っていない人によく見られるのですが、
気が張っているから疲れているのが気付かない → 風邪をひいても熱が出ない → 熱が出ないから風邪に気付かずに「なんだか調子悪いな~」「寝不足かな?」程度で済ませてしまうが その症状が1ヶ月以上続く
というパターンで 風邪をひいてるのが気付かない人 が実は多いんです。
まだ若い時なら何とかなるかもしれませんが、体力が追いつかなくなると 免疫力が低下して目も当てらえないような状態になるかもしれません。
心当たりのある方は十分ご注意ください。(漢方薬が おススメです。)
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