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感染

MERS感染症やエボラ出血熱 ~ 致死率40%と生還率60%の差は?

この記事の所要時間: 356

感染症についての おさらい

 

ヒトの身体に害をもたらす【細菌】や【ウィルス】【真菌(カビなど)】をまとめて『病原体』とか『病原微生物』といいますが、【細菌】や【真菌】には抗生物質が効果的な場合が多いのに【ウィルス】には抗生物質が効きません

 

 

 

病原体を倒すメカニズムの おさらい

 

『我々の身体の中』を【閑静な住宅街】で例えてみましょう。

 

通常、この【住宅街】には『免疫細胞(白血球)』という【警官】が、街の外からやってきた『病原体』という【問題児】や【凶悪犯】が悪さをしていないかパトロールしています。

『手の平や口の中にいるような常在菌などの弱い菌』といった【問題児】程度なら【警官】だけで十分対応できますが、 『インフルエンザウィルス』レベルの【凶悪犯】がやってきた時は【警官】だけでは太刀打ちできないので、その時は、『抗体』という【最終兵器】を持った【自衛隊】に出動要請します。

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しかし、【自衛隊】が【最終兵器を製造】して現場に駆けつけるまでには、最低数日~数週間かかる場合があります。

その間、あなたの体力が豊富ならば、【住宅街】全体が〈非常事態宣言〉を発令し【凶悪犯】を増殖させないように『(わざと)体温を上昇させる』という【街ぐるみの防御】を行ないます。(くわしくは こちら 

そして、やっと出来上がった【最終兵器】によって【凶悪犯】を退治します。

 

 

 

MERS感染症 や エボラ出血熱 の原因ウィルスは・・・

 

世界保健機関(WHO)が6月4日に公表したところによれば、これまでに累計で1,179人のMERSウィルスによる感染者数が確認されており、このうち関連死亡者数は少なくとも442人にのぼるという報告が出されました。

また、数か月前まで猛威をふるっていたエボラ出血熱の場合、3月4日付けのWHOの発表では、エボラ出血熱の患者数は23,969人、死亡者数は9,807人ということです。

 

どちらも、発症した場合の致死率が40%前後という驚異的な恐ろしさですが、両者とも ウィルス感染症で、これらの感染症と普通の風邪との差は、一言で言えば『毒性』の違いです。

前項の例えで言えば、インフルエンザウィルスが【凶悪犯】とすれば、これらの原因ウィルスは【テロリスト】または【宇宙人の襲来】くらいの差があるかもしれません。

 

しかし、上記報告の見方を変えれば、どんなに毒性が強くても、発症した60%前後の人は生還した(克服できた)と見ることができ、その境界線は、①体内に侵入したウィルス量 ②ウィルスそのものの個体差(毒性の差) ③免疫力(体力) ④迅速な対症療法(水分補給や栄養補給)などが考えられます。

このうち、我々が努力して向上させることが出来るのは、③免疫力(体力)です。(手洗いなどの徹底した予防策で①も防ぐことができるかもしれませんが・・・。)

 

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少し、話が変わりますが、みなさんも一度は、『MRSA』という言葉を聞いたことがあると思います。

『MRSA』とは『メチシリン耐性黄色ブドウ球菌』の略称であり、もともと、健康な人の鼻腔、咽頭、皮膚などから検出されることもある常在菌(細菌) の1つであった『ブドウ球菌』が、抗生物質に耐性を持った(=抗生物質では退治できない)細菌に変わったものです。(そういう意味では、『MRSA』は、現在の医療ではウィルスみたいな立ち位置かもしれません。)

『ブドウ球菌』は、素手で握ったおにぎりの中で増殖し、しばしば食中毒の原因菌になることもありますが、そもそもは常在菌なのだから、『免疫系』がしっかりしている人なら、この細菌感染症では重篤な症状を呈すことは少ないのですが、免疫力の低下している乳幼児や老人が感染すると命の危険に晒されることもあり、それが院内感染の原因となっています。

 

 

ということは、どんなに弱い病原体の感染症でも、免疫力が弱ければ重篤な症状になるし、どんなに毒性の強い病原体でも、免疫力が強ければ(もしかしたら)互角に戦えるかもしれないのです。

 

免疫力(体力)を向上させるための漢方薬を服用する事で、日常生活が快適に生活できるのは もちろん、万が一に備えることができると思います。(くわしくは こちら

 

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