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漢方薬を飲んだ方が良い時、西洋薬を飲んだ方が良い時

この記事の所要時間: 231

漢方薬を飲んでいる時は西洋薬を飲んじゃダメなの?

 

東洋医学と西洋医学は、別に対立している訳ではありません。(笑)

漢方薬には漢方薬の、西洋薬には西洋薬の 良さ があります。

お互いの『良いとこ取り』をするのが一番です。

そのためには、漢方薬・西洋薬の それぞれの特性 というか、飲み分けの方法 を知っておいた方がいいでしょう。

 

一般的に、

①西洋薬は 急速 に症状を取り去る

②漢方薬は ゆっくりと身体を変化させる

と思ってください。

 

もっと分り易い例を挙げます。

 

例えば、胃が痛い時、

①西洋薬は、「胃酸の分泌を抑えて胃の壁のダメージを減らす」「胃の痛みを脳へ送る神経経路をブロックさせて痛みを感じさせなくする。」というような作用を期待して処方されます。

一方、

②漢方薬は、「胃の血流が悪く酸素や栄養が貰えないから胃が動きにくい → 胃の血流を良くさせる。」というような作用を期待して処方されます。

 

精神的ストレスが重なって、ストレス性胃潰瘍 になるような時は、ストレスにより胃の血流が悪くなり、その結果、胃の中に胃酸が ずっと残り、それが胃壁を傷付けている ・・・という状態なので、胃酸の分泌を抑えたり、痛みをブロックしたりすると、一時的には有効ですが、薬の効き目が切れたら、また元に戻ってしまいます。

一方、疲労時に油っこい食べ物など 胃に負担のかかる物を食べて胃が痛くなった時は、胃酸の分泌を抑えたり、痛みをブロックしたりしても、期待するほどの効果がありません。

 

上記2つのケースとも、漢方薬の「胃の血流を良くさせる作用」の方が長期的には身体に有効だと思います。

 

しかし、漢方薬は西洋薬に比べ、即効性に乏しく、今、目の前にある 痛み を取り去るという作用は得意分野ではありません。

 

 

飲み分けることで「良いとこ取り」を!

 

つまり、

急性期の痛みには、胃薬(いぐすり)と呼ばれるような西洋薬を飲んで目の前の痛みを取り、落ち着いたら、再発させないために胃の血流を良くする漢方薬を飲むという治療法が おススメです。

 

この方法は、胃が痛い時に同時進行で服用しても問題ありません。

しかし、漢方薬と西洋薬を混ぜて一度に飲むことは 避けてください。
(混ざり合ってしまうと、各々の薬の作用が打ち消されてしまうかもしれないので。)

 

一般的には、4~5分あけてから飲む方法を提唱される医者が多いと思いますが、薬によっては、もっと間隔をあけた方が良いものもあるかもしれないので、詳しくは漢方薬に詳しい医者のいる医療機関に お問い合わせください。

 

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