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疲労

夏バテという言葉はあるのに冬バテという言葉がない理由

この記事の所要時間: 30

夏バテって、どうして起きるの?

 

日常会話にも良く使われる『夏バテ』という言葉。

暑い中、我々の身体は 汗をかき、その汗が蒸発する 気化熱で体温を下げようとします。

そういう状態で、例えば、 デパート や 電車の車内 など、一瞬で寒いところに入ると、急に身体が冷え切ってしまうのが夏バテの原因です。

 

我々の体は、ある程度の体温上昇には対応できますが、低体温には ほとんど対応できません。

 

例えば、36℃が平熱の人の体温が3℃上昇して39℃になっても、体力があれば(つらいけど)なんとか耐えられますが、体温が3℃下降して33℃になってしまうと命にかかわる事になりかねません。
(ちなみに、直腸温が35°C以下に低下した場合、低体温症と診断されます。)

夏の暑さが つらくて、体温を下げよう 下げよう としている状態で、急に冷え過ぎてしまったら、(少しオーバーに言うと)何の対策も無く 急に生命の危機を迎えてしまい、我々の身体の体温調節機構が大混乱し、その結果、バテるのです。

 

このような体温調節の混乱は、自律神経失調症を引き起こしかねません。

 

一方、冬は、『冷え』という生命の危機を 回避しようという反応(震えや、しもやけ などの反応)で、体温を上昇させようとしていますが、もし、急に温かい所に入っても、温めすぎる事態にまで達することはなく、また、逆に、寒い所に出ていく時は、(コートを着用するなど)万全の対策をしているので、バテるということは ありません。
(ただし、急に寒い所に出た際の、血管収縮による脳梗塞や心臓疾患には ご注意を。)

『夏バテ』はあっても『冬バテ』という言葉が無いのは、そのためです。

 

 

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冷たいものを口に入れても頭は冷やされない?

 

人間の胃は、37度前後が一番活発に活動すると言われています。

夏、暑いからと、冷たいものを一気に口に入れると、急激に胃が冷やされ、活発な活動ができなくなります。

その結果、食欲不振、下痢などが生じ、これも夏バテの原因となります。

 

そもそも、どうして、暑い時に冷たいものが欲しくなるのでしょうか?

 

身体の中で一番 温かい『血液』が、上半身にばかり流れることで、下半身が冷える一方、上半身が のぼせる という状態になります。(長くなるので、詳細は別項で詳しく述べます。)

すると、頭を基準にした温度調節機構が、「暑い」と判断するので、身体を冷やす行動をしようとするのですが、冷たいものを口にすると、頭ではなく、胃や腸を中心とした下半身の方が もっと冷される事になり、下半身の血管が収縮し、その結果、上半身の血流が増えてしまいます。

つまり、身体の中で一番 温かい『血液』が上半身に増える訳ですから、冷たいものを口にしたのに、逆に、頭が のぼせて、上半身の汗が増えてしまうのです。

 

上半身の体温を下げる方法としては、冷たいものを口にするよりも、冷たい水 や おりぼり で上半身の外側を冷やす方が、はるかに効果的です。

熱中症になるような異常事態は別ですが、(ある程度の)夏の暑い状況下では、上半身を外側から冷まし、常温以上の飲み物を少量ずつ飲むことが、夏バテを防ぐ一番良い方法です。

 

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