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西洋医学と東洋医学の根本的な違い

この記事の所要時間: 35

西洋医学は『統計学』

 

血液検査の結果をもらうと、たいてい『基準値(○○~○○)』って書いてあります。

以前は『正常値』と言っていた時代もありましたが、この値は果たして本当に『正常』な値なのでしょうか?

 

『基準値』は 不特定多数の健康な人の『平均値』で決められています。

つまり「この範囲内なら健康って言っていいんじゃない?」という目安の値です。

 

例えば、高血圧の定義は、
昔は「160以上/95以上 のどちらか一方か両方を満たす場合」
今は「140以上/90以上 のどちらか一方か両方を満たす場合」 となっています。
(もっと詳しい分類があるのですが省略します。)

 

つまり、 昔は「これくらい高かったら高血圧にしよう。」としていたものが、今では血圧と病気の統計学的な関連性が解明され「もっと精密な値にしよう」ということになったのです。

 

ということは、 『病気のデータありきで患者かどうかを決める』という事になります。

「〇〇さんが病気かどうか」をデータに照らし合わせて診断しているのです。

 

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東洋医学は『王様の治療』

 

一方、東洋医学は 古来は 王様を治療するための医療でした。(韓国ドラマ『チャングムの誓い』や『ホジュン』の時代のようなイメージです。)

 

王様には代わりがいないのだから、西洋治療のように「王様が病気に当てはまるかどうか」を調べるのではなく、「何が何でも王様をお守りする」という精神なのです。

 

ということは、 『患者様(個人)の値の変化をみて 異常か正常かを判断する。』という事になります。

少々 血圧が高くても、以前から変化がなければ、その血圧をキープしながら治療することも可能です。

 

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具体的な治療例

 

糖尿病の治療を例にしてみましょう。

 

西洋医学は『1600 kcal食』などと、カロリー計算で食事制限を定めますが、
東洋医学では積極的に血や肉になる食品を摂るように指導します。

 

「1400 kcal 分の ジャンクフード」を食べるよりも
「1800 kcal 分の バランスの良い食事」を食べた方が良いという考え方です。

 

東洋医学では、「血糖値が上がりやすくなる(から食べさせない)」という考えよりも、「少々カロリーが高くても、そこから新しい血液や筋肉が作られ その新しい筋肉が身体の血流を改善させれば、インスリンホルモンが分泌しやすくなるかもしれない」というような考え方をします。

※筋肉と血流の関係については、〈腕よりも足が太いのは何故? これを読めば分かる筋肉の5つの不思議〉を参照ください。

 

西洋医学では『糖尿病=血糖降下剤(インスリンなど)』と治療法が決まっています。

一方、東洋医学では、同じ糖尿病患者様でも、

胃腸系の動きが悪い方には胃腸系の働きを改善させる漢方薬
疲労虚弱が強い方には滋養・強壮作用の期待できる漢方薬

などと、異なる漢方薬を処方することがあります。

 

この違いが、東洋医学の大きな特徴であり、

漢方薬は『○○病に効く漢方薬』ではなく 『○○様に効く漢方薬』という考え方に繋がります。

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