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同じ病気なのに処方される漢方薬が違うのは何故?

この記事の所要時間: 247

病気に合った漢方薬ではなく、あなたに合った漢方薬を

 

患者さんから「同じ病気と診断されたのに、Aさんには①という漢方薬で、Bさんには②という漢方薬が処方されるのは何故か?」というような質問をよく受けますが、私は、その理由を、短距離走の時の追い風に例えて説明します。

 

みなさんは、短距離走で 追い風が吹いたから楽に走れた・・・という経験は ありませんか?

 

この時、【短距離走のゴール】を【健康な状態】とすると、健康というゴールを目指して一生懸命 走っている時に吹いた【追い風】に相当するのが【漢方薬】だと思ってください。

「身体に良い食事をすることを心がけ、疲れた時は早めに休む」というような努力をしている時に漢方薬を服用すると、その分 楽に、そして早く健康になれる・・・ということです。

 

しかし、追い風といっても、台風並みに強力な風が吹いた場合、体力の無い選手は、体がふらついてしまい、転倒してしまうかもしれません。

これを、前述の例えに当てはめると、漢方薬の効果が強すぎて、疲労している人が、かえって体調を崩してしまう・・・ということになります。

 

その時 その時の、選手(患者さん)のコンディションを考慮しないと、「なんでもかんでも、○○病には、この漢方薬」という訳には いかないのです。

 

疲れ切ってしまっている患者さんには、いきなり強風のような漢方薬を用いずに、はじめは、緩やかな変化を期待するような漢方薬を使い、体力がついてきたら、やや強めの漢方薬に変える・・・といった治療の方が、身体に負担をかけないで、確実に体質改善することができます。

 

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漢方治療は山登り!?

 

同様に、「○○薬局ではAという漢方薬を勧められたけど、××診療所ではBという漢方薬を処方されたのですが・・・」というような話も よく聞きます。これを今度は、【漢方治療】=【山登り】で例えてみます。

 

一般的に、山登りのルートは、何種類かありますよね?

ここで、【山頂】=【健康な状態】とすると、山頂を目指すルートは、○○薬局には○○薬局の得意なルート、××診療所には××診療所の得意なルートがあるのかもしれません。

 

また、

『(上級者向けの)険しいけれど短時間で登れるルート』もあれば、

『(初心者向けの)ある程度 余裕をもって臨むルート』もあり、

そして、その山の天候(=患者さんの健康状態)によっては、途中でルート変更した方が、負担をかけずに山頂にたどり着けることもあります。

 

短距離走の時と同様に、その時 その時の、登山家(患者さん)のコンディションを考慮しないと、「なんでもかんでも、○○病には、この漢方薬」という訳には いかないのです。

 

もしも、みなさんが、漢方専門の医療機関を受診したのならば、処方された漢方薬が、以前、他のところで処方されたものと全く異なっていても、心配いりません。
(その先生を信じましょう。)

 

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