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胃腸系

『便秘』の水に流せない重要な話

この記事の所要時間: 30

うんちの性状を知ろう

 

実は、便の80%以上は水分で、残り20%が 食べ物のカス・古くなった腸粘膜・消化器からの分泌物・腸内細菌 などで構成されています。

また、ふっくらとして出しやすい便には適度な空気(ガス)も含まれているので、便が腸内に留まる時間が長いほど、便の水分が奪われて空気は分離し、コロコロした硬い便になったりガスが出やすくなったりします。

 

 

 

ごはんを食べてから 「うんちをしたい」と思うまで

 

便を出すためには「トイレに行きたい」という便意が必要です。

(少し難しい用語が出てきますが、覚えなくて大丈夫です。)

 

①胃・結腸反射

まず、食べ物が胃に入ると、大腸へ「食べ物が入ってきたぞ~」という信号が送られ、それにより大腸は反射的に『ぜん動運動』を開始します。(※『ぜん動運動』とは、腸が消化物を吸収し カスを直腸まで送る運動です、)

 

②直腸・結腸反射(排便反射)

そして、消化・吸収されて残った食べ物のカスが直腸に運ばれると、脳に「便が到着しました~」という信号が送られ『便意』をもよおします。(この時、同時に大腸全体に「もっと『ぜん動運動』させなさい」という命令も出ます。)

 

これらの反応(反射)により排便が誘発されますが、リラックスして副交感神経が優位に働いている時でないと胃や腸などの内臓への血流が悪くなるので、緊張している時や、疲労の蓄積や虚弱体質などで お腹の血行が悪い時には、以上のような反応が出来にくく、そのため便秘や下痢になってしまいます。

(→『絶対よくわかる自律神経~人は緊張するから考えることができる!』参照)

 

 

 

便秘の種類

 

便秘には薬剤によるものや腸閉塞・ガンなどの特別なケースを除き、大きく3種類に分類されます。

 

①弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)

腸の動きが弱くなって排便する力が低下することで起こる便秘です。

腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプで最も頻度が高い便秘です。

水分や食物繊維などの摂取不足、運動不足・無理なダイエットや虚弱体質による腹筋の筋力低下などが誘因になることが多く、「おなかが張る」「残便感(宿便感)」という症状の他、「食欲低下」「肩こり」「肌荒れ」などの症状もみられることがあります。

 

②けいれん性便秘

自律神経の乱れにより腸が けいれん することで起こる便秘です。

環境の変化(引越しや旅行など)やストレスなどが誘因になることが多く、便秘と下痢を交互にくり返すことも多いです。

 

③直腸性便秘

消化の悪いものばかり食べたり便意をガマンしすぎたりすることで起こる便秘です。

水分の無い硬い便が どんどん溜まってしまいます。

 

 

 

西洋治療と漢方治療の違い

 

まずは、詰まっている物を出す必要があるので、どちらも下剤を処方することが多いですが、下剤で出したとしても、それでは原因を治した訳ではないので、また何度も使わなければなりません。

漢方薬は、腸の血流を改善させたり自律神経の失調状態を改善させたりすることで、便秘の原因から改善させることが期待できます。

 

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